Weather report
2025.12.7
天気を予測するということと、未来を占うということの意味を混同していた子供は、不思議な思いを抱きながらブラウン管テレビを眺めていた。
遠足や家族旅行を数日後に控えながら、太陽や雨傘のマークをこまめに確認しては一喜一憂していたあの頃。
永遠に続くと思っていたそれらの全ては、過去になった。
過ぎ去った遠い日々を振り返ってみると、「未来を思い描いていた過去」に生きる彼らが愛おしい。
彼らの淡い空想の片隅に、ひょっとしたら今を生きる私達が紛れ込んでいたのかも知れない。